https://s.kabutan.jp/news/n202408150860/
●コンテンツビジネスがけん引したソニーグループの好決算
ソニーグループの2025年3月期第1四半期決算は、営業利益2791億円と前年同期比10.3%の増益だった。ゲーム事業にメディアの注目が集まりがちだし、
筆者もゲーム事業に関する辛めのレポートが多いため、意外に思われるかもしれないが、実は筆者はソニーグループの将来性を高く評価している。
全体では成長性の高いビジネスを多数抱えている優良会社なのである。第1四半期で見ると、円安の進行効果が大きかったが、見逃せないのは音楽事業の伸長である。説明会でもソニーグループは高成長を強調していたが、
多くの楽曲の配信権を持っているため、アップルミュージックやアマゾンミュージックに代表されるプラットフォーム向けの音楽配信で極めて省力、省資
本の効率的なビジネスモデルを確立したのである。これほど省力、省資本のビジネスモデルはなかなか見られず、もっと評価されるべきだと思うのだが、筆者が見聞きした範囲内ではこのビジネスが高く
評価されたという話は聞かない。実にもったいない話だと思うのである。また、コンテンツビジネスは、権利者に収益が集中する傾向があるので、同社はCDでは取り込めなかったユーザーの獲得に加え、中古・レンタル市場に
流出していた付加価値を取り込んで、音楽部門は売上高4420億円(前年同期比23%増)、営業利益859億円(同17%増)と成長を実現している。この結果は
元社長の平井一夫氏が推進したリカーリングビジネス戦略が結実したものと言っていいだろう。高効率で成長を実現できる音楽部門は今後も、安定的な
成長が持続できると筆者は考えている。CMOSイメージセンサーも好調だ。サムスンの参入報道でシェア低下が懸念されているが、張り合わせ構造のチップ製造にかかわるノウハウは非常に
有用で、第1四半期の前年同期比2.8倍という利益成長はもっと評価されるべきだろう。中期的に他社の参入は十分あり得ると思うが、車載などでのCMOSイメージセンサーの搭載量の増加も考えると成長ペースに揺るぎがあるとは思えない。
ソニーグループ全体で見ると、ストライキで停滞気味の映画事業も含めてコンテンツの平井氏のリカーリングビジネス戦略は、とても有効だったと考えている。
海外の投資家からも安田ってやばい人じゃね?ってバレてきてて草
●なぜ、「PS5」の販売台数予想に疑問が発せられないのか?
となると結局、同社の課題はゲーム事業だろう。筆者はソニーグループを批判ばかりしていると思われているが、データを見ていると今の「プレイステーション」
ビジネスは不振と言って差し支えがない。であるならば、批判は当然ではないだろうか? たしかに増収増益であるが、これは円安効果に加えて、「PS5」の不振
を補うためにPC向けゲームソフトの販売を強化し始めたからである。「PS5」の販売台数は前年同期の330万台から240万台へ大きく落ち込んでしまった。通期の会社計画、1800万台に対する進捗率は13%にとどまっている。
さきほどの任天堂「Switch」の会社計画1350万台に対する進捗率が15%であることを考えても、それ以上に計画の到達は難しいだろう。しかし、筆者はよくソニーグループを批判しているので、もしかするとバイアスがかかっているかもしれない。そこで「PS4」の第1四半期進捗率を示すが、開示され
ている実働7年間の平均進捗率は21%で、最後の2年は半導体不足で、販売台数が少ないため除外しても5年間の平均は17.6%だから、今回の結果は大きく
下回っている。筆者は、「PS5」の今期予想台数を1650万台に引き下げたが、これでも進捗率は「Switch」並みの15%なので厳しい。一応、下期にハードウェア
に関する施策が打たれることを前提にしている。筆者が決算説明会に参加して疑問に思ったのは、「PS5」の第1四半期で240万台という低い販売台数にとどまっている現実は明らかであるのに、会社側も
機関投資家もメディアもこの台数に触れることがなかった点である。「PS5」の今年度計画1800万台が達成できなくても、ソニーグループ全体への業績に対
する影響は限定的であるにも関わらず、このようなことになっているのはおかしいと皆さん思われないのだろうか。
●過去の失敗が生かされていない「PS5」の不振
このような事態になったのは、言葉や文章にすると現実になる、という文化が日本にはあり、暗黙の了解として疑問があっても言葉にできなくなっているのでは
ないか、と筆者は推測している。これは小説家の井沢元彦氏が日本における言霊信仰と指摘している話で、筆者も同意するところではある。詳細は井沢氏の
著作などを読んでいただければと思うが、こうした思考が、公の場である決算説明会で悪い話をすることが憚れるような空気を生んでしまったのではないかと思う。「何を馬鹿な」と思われるかもしれないが、今回のソニーグループの決算発表で、実際に起こったのである。全体の業績が好調だったことを考えると、これが
ソニーの業績に影響も与えていないのに筆者としては不思議で仕方がない。発言や文章化すると現実になるという日本的文化を象徴する出来事がソニー
グループの説明会で起きているのは大変面白い現象だと思う。ソニーグループの将来性は「PS5」の販売台数が少々未達だったぐらいで揺らぐとは思えない。筆者も音楽やCMOSイメージセンサーの将来性を高く評価
している。しかし、ソニーグループやSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)からすると、「PS5」の失敗は苦い記憶になりそうなのである。失敗の経験
が継承されないため、悪いことを悪いと言えないのは問題だと思う(実際、事業不振が喧伝された携帯ゲーム機「PS Vita(ヴィータ)」の販売台数は非開
示にされている)。デジタルカメラ部門はその点、エレクトロニクス事業の失敗の経験が生かされていて、健闘している。ゲーム事業は、高い将来性がある
だけに残念だと思うのである。
>筆者はソニーグループを批判ばかりしていると思われているが
こんなこと書くとかよっぽど酷いこと言われてるんだろうな
マジで事実陳列罪かよ
特需の恩恵が無くなれば売れなくなるのは自明だったからね
なのできちんとデータ出して批判するよって言ってる
Switch発売したころはガチでイロモノ扱いされてたのが懐かしいな
PS5発売してから正統派のアナリストとして扱われるようになってしまったの本当に草
加えてSIEの「悲しい気持ち」がなw
あれなけりゃここまで執拗に批難しなかったかも
避けてんだよな
不思議
この記事へのコメント
ただの犯罪者の記事だった
こいつだけが「ソニーは不調!PS5は売れてない!」と言ってるのはおかしくない?
プレステを批判する奴を野放しにしてるとソニーボーイ達の優越感が損なわれてしまうからなあ
一般の人から見たらセガのゲーム事業なんて、「失敗しかしてないのに良く続いた」ってレベルなんだよ
だけど、セガ自体から見ると「メガドライブまでは大成功」扱い
会社にとって「利益が出てる」ならそう簡単に捨てられない
海外で成功してたメガドライブでも日本市場で黒字事業だった
「ハードが売れてるか売れてないか」じゃなくて、「利益がどうなってるか」を調べて言うべきだ
PCで出したソフトが伸びてるから利益が出ているのが実情らしい
一方でPS5の販売台数とソフトの売り上げは前年から大きく減っている
ゲーム機だけでなくソフトも下がる…これは一体どういうことだろう
半導体不足はとっくに解消されてるのに
前年同期比マイナス30%の出荷
発売して3年なのに8年目switchとたった30万差
日本は毎週たった2万の大爆死ハード